身体的・精神的・社会的な健康につながるコーヒーの可能性を探る

ネスレ日本株式会社

 

コーヒーの習慣的飲用が私たちの暮らしに役立つ可能性を求めて

 ネスレ日本は、2023年4月で創業110周年を迎えました。「Good food, Good lifeカンパニー」として、食品、飲料、栄養健康製品、ペットケア製品、そして付加価値の高いサービスで実現できるイノベーションを探求することで、お客さまの問題解決に取り組み、食の持つ力で現在そしてこれからの世代のすべての人々の生活の質を高めていきます。

 ネスレ日本では、主要な事業としてコーヒーの製造・販売を展開しています。日本人にとって最大のポリフェノール摂取源として知られているコーヒーについて「3 Coffee a Day ~1日3杯のコーヒー習慣がいい人生をつくります」をキーメッセージに、コーヒーの飲用習慣を提案しています。

 コーヒーやその成分をテーマとした研究は世界中で展開されており、コーヒーが私たちの暮らしに役立つ様々な可能性を示しています。その可能性とは主に、コーヒーの習慣的な飲用による、生活習慣病に関わる健康リスクやメンタルヘルスとの関連です。

 健康の定義とは、肉体的、精神的、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることだと知られています。ネスレ日本では社会的な健康の観点から探求することで、コーヒーの習慣的な飲用について社会に発信したいと考え、千葉大学予防医学センターの近藤克則教授にご相談させていただいたことがWACo参画へと至るきっかけでした。

 

「通いの場」の学術的調査でも見えてきたコーヒーの効用

  WACoには「予防医学に基づく、健康で活動的なコミュニティの創出」というテーマがあります。それを実現する場として、厚生労働省が推進している地域の住民同士が気軽に集い、ふれあいを通して「生きがいづくり」「仲間づくり」の輪を広げる「通いの場」というコミュニティの拠点があります。そこでは、様々な健康促進プログラムが実施されていますが、なかでも「体操」に加えて「お茶・お喋り」が高い人気となっています。これは「精神的な健康」や「社会的な健康」に直結する重要な要素と考えることができ、共同研究では、「お茶・お喋り」に欠かせない緑茶やコーヒーの摂取量と「精神的な健康」「社会的な健康」との関連を明らかにしていくこともテーマとして取り組んでいます。

 その一環で、緑茶やコーヒーを嗜む人々がより積極的に社会参加へ関わっていく傾向が強いという仮説のもと、緑茶やコーヒーの利用習慣と社会参加との関連性について検討しています。これはWACoでの調査だからこそ得ることができた新たな視点と言えるでしょう。今後はさらに、コーヒーと社会参加がどのように関わっているのか調査する予定です。

 WACoはオープンイノベーションにもとづくコンソーシアムで、近藤先生自らが進んで他企業との接点を作られるような取り計らいをされています。先日は「通いの場」活動の一環として地域参加型のコーヒー教室を展開する電鉄会社さんをご紹介いただき、その様子を見学するとともに協業を見据えての意見交換を行うなど、非常に有意義な機会をいただきました。こうした他企業との接点づくりで、当社の取り組みに益するような企業と結びつけていただけるので、新たな視点や知見を取り入れやすく、メリットを感じています。

 何よりもWACoをリードする先生方が、学術的な知見を得ることから社会的な貢献までを一つのラインとして考えてくださっているのがありがたいです。知見を得たなら、次はどう製品・サービスへ実装していくか、そしてそれをどう健康的・活動的なコミュニティに結びつけていくか。そのようにゴールを明確に意識しながら研究に取り組むことができるのは、モチベーションの面で非常に高いものをもたらしてくれます。こうした環境で共同研究を行うことで、今後どのようなイノベーションを生み出せるのか楽しみでなりません。

コーポレートアフェアーズ統括部
コーポレートコミュニケーション室
ウエルネスコミュニケーションユニット

※部署・役職名は取材時のものです